ニューヨーク市場のAI銘柄と経済指標による相場動向
概要
台湾で開催中のイベント「コンピューテックス」において、半導体各社が相次いでAI関連の発表を行っています。AI関連銘柄の最近の動きや、経済指標による市場の反応について、大和証券CMアメリカのシュナイダー恵子氏がリモートで解説します。
AI銘柄の動向
半導体企業の発表
台湾で開催されている「コンピューテックス」において、半導体企業がAI関連の新技術や製品を発表しています。特にエヌビディアのフアンCEOは、毎年AI半導体をアップグレードする計画を発表し、市場に大きなインパクトを与えました。
AI関連企業の決算と株価動向
直近のAI関連企業の決算発表後の株価動向は以下の通りです。
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セールスフォース(ソフトウエア):決算翌日に下落
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ユーアイパス(ソフトウエア):決算翌日に下落
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モンゴDB(ソフトウエア):決算翌日に下落
これらの企業は急ピッチで上昇してきたため、利益確定売りが進んだ結果、株価が下落しました。
ナスダックの動き
先週金曜日のナスダックは一時大幅下落しましたが、MSCIのリバランスによる需給要因で買い戻され、マイナス2ポイントで終了しました。エヌビディアの強い反発で始まった今週も、先週の決算を消化しきれず、ソフトウエアセクターの売りがITセクター全体に広がりました。
経済指標と市場の反応
米国4月PCE(個人消費支出物価指数)
先週金曜日に発表された米国4月PCEのスーパーコア(エネルギーと住居を除く)は0.26%上昇し、3月の0.42%上昇から減速しました。これにより、インフレ再加速への懸念が和らぎました。
金利の動向
PCEを受けて金利が低下し、先週金曜日のダウは574ドル高と4日ぶりに反発しました。本日は5月ISM製造業景気指数が予想を下回り、金利がさらに低下しました。支払価格は低下し、雇用は堅調であり、ソフトランディングを示唆する内容でしたが、ダウは金曜の大幅高の反動もあり、景気敏感株を中心に下落しました。
今後の展望
雇用統計への注目
今週の最大の注目ポイントは金曜日に控える5月の雇用統計です。投資家は雇用者数が急激に減少せず、低い失業率を維持できるかに注目しています。このデータが市場にどのような影響を与えるかが重要です。
AI銘柄の動向
エヌビディアをはじめとするAI関連企業の発表が続く中、これらの銘柄の動向にも引き続き注目が集まります。特に、新たな技術や製品が市場にどのように受け入れられるかが焦点となります。
まとめ
ニューヨーク市場は、台湾でのイベントやAI関連銘柄の動向、そして経済指標の発表に大きく影響されています。AI関連銘柄は利益確定売りにより一時下落しましたが、エヌビディアの発表などで再び注目を集めています。経済指標の結果が市場に与える影響を注視しながら、今後の動向を見守る必要があります。