おにぎりウォーズ:儲かる!「おしゃべりビジネス」の進化と戦略
おにぎりビジネスの勃興
最近、日本各地で「おにぎりウォーズ」とも呼ばれるほど、ユニークなおにぎりビジネスが注目を集めています。ここでは、「がっちりマンデー!!」で紹介された、名古屋発の**「にぎりたて」、東京の人気店「ぼんご」、駅ナカコンビニの「NewDays」、そして京都の観光地に位置する「京都ぎをんおむすび屋さんかく」**の取り組みについて詳しく見ていきます。
名古屋発の「にぎりたて」
店舗展開と売上
「にぎりたて」は、テイクアウト専門のおにぎりチェーンで、東海地方を中心に34店舗を展開しています。1985年創業のこのチェーンは、イオンモール熱田に店舗を構え、今期の売上は約14億円、来期は約20億円を計画しています。
- 店舗数: 東海地方を中心に34店舗。
- 売上: 今期約14億円、来期約20億円を計画。
商品の特徴と人気メニュー
「にぎりたて」では、注文を受けてからおにぎりを握るスタイルを採用し、米は福井県産のコシヒカリやいちほまれを使用。塩は焼き塩、海苔は伊勢湾の海苔を使うことで品質を高めています。一番人気は**「さけ」で、他にも「さば大葉」や「大えび天」**などバリエーション豊富です。
効率化の工夫
「にぎりたて」では、注文を受けてからご飯を丸めて、海苔で包む際に三角形にすることで、時間を短縮しています。この効率的な手法により、注文から提供までの時間を大幅に短縮し、新鮮なおにぎりを提供しています。
- 効率化手法: ご飯を丸め、海苔で包む時に三角形にする。
東京・豊島区の「ぼんご」
店舗の特徴と売上
「ぼんご」は、カウンター席でおにぎりを提供する独自のスタイルで注目されています。カウンター席の9席は常に満席で、1日60万円、多い時で30〜40万円の売上を誇ります。
- 店舗スタイル: カウンター席での提供。
- 売上: 1日60万円、多い時で30〜40万円。
商品の特徴とバリエーション
「ぼんご」のおにぎりは、具がたっぷり入った大きなサイズが特徴で、57種類のバリエーションがあります。代表的なメニューには**「しゃけ」(350円)、「辛子明太子」(350円)、「うにくらげ」(400円)、「筋子」(650円)などがあります。また、トッピングオプションも豊富で、具材の組み合わせによりオリジナルの味**を楽しむことができます。
- 具材の種類: 57種類。
- 代表メニュー: しゃけ、辛子明太子、うにくらげ、筋子。
- トッピング: 具材の組み合わせが可能。
営業時間と回転率
営業時間は午前11時半から夜11時までと長時間で、1席あたり1日24回転することから、高い回転率と売上を実現しています。
- 営業時間: 午前11時半から夜11時。
- 回転率: 1席あたり1日24回転。
駅コンビニの「NewDays」
店舗展開と売上
「NewDays」は、JR東日本エリアの駅ナカ・駅チカに506店舗を展開するコンビニチェーンです。2022年度末の売上は912億円で、おにぎりエリアは弁当棚全体の約7割を占め、1日約20万食を販売しています。
- 店舗数: 506店舗。
- 売上: 912億円。
- おにぎり販売数: 1日約20万食。
商品の特徴と人気メニュー
「NewDays」では、**「スゴおに」シリーズが人気です。「スゴおに のり弁にぎりました」は、白身魚フライ、タルタルソース、ちくわ天、唐揚げ、玉子焼き、きんぴらごぼうを詰め込んだ豪華なおにぎりで、1か月最高8万6千食の売上を記録しました。他にも、「スゴおに 豚骨ラーメンにぎりました」**など、ユニークなメニューを展開しています。
- 代表メニュー: スゴおに のり弁にぎりました、スゴおに 豚骨ラーメンにぎりました。
- 販売実績: スゴおに のり弁にぎりましたが1か月最高8万6千食。
最新のおにぎり
最新の**「箱おに」シリーズでは、箱型のご飯の中に海老チリや天ぷら**を詰め込み、片手で持って食べられる丼のような感覚を提供しています。
- 新商品: 箱おにシリーズ(海老チリ、天ぷら)。
京都の「京都ぎをんおむすび屋さんかく」
観光地での展開
「京都ぎをんおむすび屋さんかく」は、京都の祇園に位置し、観光客を主要なターゲットにしています。来店客の約8割が観光客であり、売上の約5割は朝食からのものです。観光地での展開により、インバウンド需要をうまく取り込んでいます。
- ターゲット: 観光客(約8割)。
- 売上の特徴: 朝食が約5割。
メニューの特徴
多様な具材や日本らしい味付けを特徴とし、外国人観光客にも喜ばれるメニューを提供しています。高品質な素材と伝統的な技法を活かしたおにぎりは、観光客に人気です。
- メニュー: 多様な具材と日本らしい味付け。
- 顧客層: 外国人観光客にも人気。
なぜ今「おにぎりウォーズ」が勃発するのか?
消費者のニーズの変化
近年、消費者の間で健康志向や簡便食への需要が高まっています。おにぎりは、手軽に栄養バランスが取れ、持ち運びも簡単なため、このニーズにマッチしています。
- 健康志向: 栄養バランスが取れる。
- 簡便食: 手軽に食べられる。
新しい食文化の発展
おにぎりは、日本の伝統的な食文化でありながら、新しい具材や調理法を取り入れることで、現代のライフスタイルに合わせた進化を遂げています。特に、「スゴおに」や「箱おに」などの新しいスタイルのおにぎりは、消費者に新鮮な驚きを提供し、食文化の多様性を広げています。
- 新しい具材: ユニークな具材の組み合わせ。
- 食文化の進化: 現代のライフスタイルに合わせた進化。
商業施設との連携
「にぎりたて」のように、ショッピングモールや駅ナカに出店することで、集客力の高い場所でビジネスを展開しています。これにより、ファミリー層や通勤客など、幅広い顧客層にアプローチでき、売上の増加に繋がっています。
まとめ
「おにぎりウォーズ」は、日本各地で個性豊かなおにぎりビジネスが台頭する中で、消費者の多様なニーズに応えるために進化しています。名古屋の「にぎりたて」、東京の「ぼんご」、駅ナカの「NewDays」、京都の「京都ぎをんおむすび屋さんかく」の成功事例から見えてくるのは、伝統と革新のバランスを取りながら、消費者に新しい価値を提供することの重要性です。これからも「おにぎりウォーズ」は、新たなビジネスチャンスとして成長し続けるでしょう。