きょうの為替
尾河氏のドル円予想
本日、為替市場におけるドル円の予想レンジは、第一生命経済研究所の尾河さんによれば159.10円から160.10円です。彼は、「160円に近づくと試しに行きたくなるような環境になるため、底堅い展開が予想される」と述べています。
注目ポイント
アメリカ為替報告書と円買い介入
尾河氏は、アメリカの為替報告書と円買い介入が注目ポイントであると指摘しました。彼は、テクニカル上のRSI(相対力指数)を見た際に、4月末に160円台をつけたときは70の水準を超え、明らかに買われ過ぎのサインが出ていたと述べています。しかし、現時点ではオーバーシュートしていないとのことです。今後、円安が加速して買われ過ぎのゾーンに入った場合、介入の可能性が十分にあると予想しています。
アメリカの為替監視リストと日本
アメリカ財務省が20日に発表した為替報告書で、日本が1年ぶりに為替監視リストに追加されました。これにより、日本が介入しづらくなるという見方もある一方、尾河氏はその心配はないと述べています。報告書には、「介入は例外的な状況にのみ行われるべき」や「日本は為替操作に関して透明性を確保」との記載があり、これまでの介入についてアメリカ当局は特に問題視していないとしています。そのため、160円を再び超えて投機的な動きが加速すれば、円買い介入が行われる可能性は常にあると見ています。
日本の金利とインフレ率
最近の日銀の出口論により、日本の10年債利回りは右肩上がりになっています。同時に、日本の期待インフレ率も上昇しているため、実質金利はマイナスのままであり、緩和的な政策が続いている状況です。このため、現在のドル円はFRBの政策予想に沿った動きを見せています。
今後の展望
日銀の政策変更
今後は、日銀の追加利上げや国債買入の減額など、出口戦略に注目が集まります。これにより、ドル円と日米の実質金利差の相関性が再び高まる可能性があります。尾河氏によれば、彼の会社の実質金利差の見通しから試算したところ、今年の年末のドル円予想値は145円前後となる見込みです。ただし、乖離したまま相関性が戻ってくる場合は、150円前後になるとのことです。
結論
本日のドル円は、159.10円から160.10円のレンジで底堅い展開が予想されます。アメリカの為替報告書や円買い介入が注目される中、今後の日銀の政策変更や実質金利差の動向に注意が必要です。投資家は、これらの要素を考慮しながら、適切なリスク管理を行うことが重要です。