破綻寸前企業の決算書から学ぶ、決算書で注目すべき1つのポイント
金融の基本を学びたいあなたへ
最近、投資の世界に興味がある方々から「決算書を読むのが難しい」との声がよく聞かれます。
そんなあなたにぴったりの話題が、今回ご紹介する『株トレ ファンダメンタルズ編』です!この本では、決算書の読み方や企業の財務状況を解説し、クイズ形式で楽しく学べる内容となっています。
著者の窪田真之氏は、ファンドマネジャーとして25年の経験を持ち、すでに多くの個人投資家たちに支持されています。
今後の投資活動を成功に導くための知識が得られるチャンスです。
日本航空の事例から学ぶ
さて、具体的な例を挙げてみましょう。
日本航空(JAL)の2009年3月期末のバランスシートと2024年3月期末のものを比較することで、どのように企業の健全性がわかるのかを掘り下げていきます。
JALは、2010年に会社更生法を申請した経緯があり、当時の決算書を見ると、自己資本比率が11.2%とかなり低いことがわかります。
この比率が低いということは、つまり、借金に依存した経営を余儀なくされていたことを示唆しています。
ここから、企業の健全な財務体質の重要性を感じ取ることができますね。
資金繰りの重要性
さらに、D社の流動比率を見てみましょう。
流動比率が74.9%ということは、短期的な負債を支払うための流動資産が不足している可能性が高いということです。
資金繰りに苦労している事が示されています。
このような数値を見逃さずに、企業の財務状況を判断することが投資には欠かせません。
一方で、C社は自己資本比率が35.8%で流動比率も138.8%と、短期的には安心して投資できる状況です。
しかし、流動比率が200%を超えない限りは「完全に安心」とは言えないのです。
そのため、投資の際には十分な注意が必要です!
実質債務超過の怖さ
また、2009年3月末時点の日本航空は「実質債務超過」に陥っていました。
特に退職給付債務の積み立て不足が3315億円あったことで、実質的には自己資本がマイナスでした。
このような状況は、一般の個人投資家にとっては非常に判断が難しいですが、知識を持つことで少しでもリスクを回避することができます。
現在の会計基準では、こうした債務はしっかりとバランスシートに計上されるため、注意深くチェックすることができるようになっています。
コロナ禍の影響と今後の展望
最後に、2021年から2022年にかけてはコロナ禍によって航空需要が大きく落ち込み、日本航空も困難な状況に直面しました。
しかし、2023年に入ると黒字転換を果たし、再び期待が高まっています。
これからの投資について考える時、過去のデータや企業の決算書をしっかり参照して、学びを深めることが大切です。
このような経験から、トレードや投資に対する理解が深まっていくことでしょう。
「株トレ ファンダメンタルズ編」を通じて、皆さんもぜひ投資の楽しさを少しでも感じることができれば嬉しいです。