今日の株式市場展望:日経平均の予想レンジと「セルインメイ」の効果
日経平均予想レンジ
DZHフィナンシャルリサーチの東野幸利さんによると、今日の日経平均の予想レンジは39,200円から39,700円です。東野さんは、「週明けの米国市場で半導体を中心にハイテク株に買いが入っているため、日本株上昇に追い風となる。ドル円がやや円安方向で推移している点も好感材料になりやすい」と述べています。
注目ポイント:「セルインメイ」の効果
セルインメイとは?
「セルインメイ(Sell in May)」は、投資の格言であり、「5月に株を売って市場から撤退せよ」という意味です。しかし、東野さんは「セント・レジャー・デー(おおむね9月中旬)まで戻ってくるなという続きがある」と説明しています。これは、夏の間は市場のパフォーマンスが低迷しやすいとされるアノマリー(市場の傾向)を指しています。
アメリカ株市場での実績
東野さんは、アメリカ株市場における「セルインメイ」の効果について触れました。具体的には、S&P500指数で前年10月から5月まで運用し、6月から9月までは市場から撤退する投資戦略を28年続けた場合、累積リターンは861%となり、ずっと持ち続けた場合のリターンを上回るパフォーマンスを示しました。逆に、6~9月まで運用し他の期間は撤退するパターンでは、全く利益を得られない結果となったと報告しています。
日本市場での影響
日本市場でも同様の戦略が有効であることを示しています。TOPIX指数を同じ方法で運用した場合、累積リターンは166%となり、長期的には累積を大きく上回るリターンを得られるとしています。
トレンドの違いと単年ベースの注意点
この効果はあくまで長期投資の視点から見たものであり、単年ベースでは通用する年とそうでない年があると東野さんは注意を促しています。今年のようにアメリカ株が刺激を受けやすい状況にある中で、「セルインメイ」は認識しておく必要があるアノマリーだと述べています。