FRBのインフレ減速とテスラの躍進:ニューヨーク証券取引所の最新動向
経済データと市場反応
パウエル議長のインフレ評価
ニューヨーク証券取引所からの東海東京証券アメリカの武井章浩氏によると、FRB(連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、直近の経済データについて「インフレが減速基調に戻った」と述べ、これを歓迎する姿勢を示しました。パウエル議長の発言を受け、市場では利下げ期待が再び高まり、金利上昇が一服しました。この影響で、3指数は午後にかけて上昇し、ナスダックは連日で最高値を更新、S&P500は初めて5500の大台を突破しました。
テスラの納入台数と株価上昇
相場をけん引したのはテスラであり、4−6月期のEV(電気自動車)納入台数は44万3956台と、市場予想の43万8019台を上回りました。前年同期比では4.8%減少しましたが、需要を巡る懸念がやや薄れたこと、中国の競合・BYDを抑えて2四半期連続で世界首位を維持したことから、テスラの株価は10.2%の大幅高となりました。
労働市場の動向
JOLTS(雇用動向調査)
武井氏は、5月のJOLTS(雇用動向調査)についても解説しました。非農業部門の求人数は814万人と市場予想の791万人を上回りましたが、全体としては労働市場の軟化トレンドに変わりはないと受け止められました。米国失業者1人当たりの求人数は5月は前月比横ばいの1.22であり、着実に労働市場の軟化が進んでいることが分かります。
利下げの可能性と雇用統計の重要性
パウエル議長は、労働市場が想定以上に弱まれば利下げに踏み切る可能性があると再度述べました。5日に発表される6月の雇用統計について、武井氏は市場予想として非農業部門雇用者数が前月比で19.3万人増加し、失業率が4.0%(横ばい)とされています。これらのデータは、早期利下げに繋がる労働市場の軟化を確認する重要な指標となります。
まとめ
市場の動向と今後の展望
パウエル議長のインフレ減速に対する評価と、テスラの好調な納入台数が市場にポジティブな影響を与えました。特に、テスラの株価の大幅上昇は、投資家にとって大きな関心事です。一方で、労働市場の動向も注視すべきポイントであり、今後のFRBの利下げ政策に影響を与える可能性があります。
労働市場の軟化と利下げ期待
労働市場が軟化し続ける中で、FRBがどのタイミングで利下げに踏み切るかは、今後の経済政策において重要な焦点となります。特に、6月の雇用統計が市場予想通りの結果となれば、早期利下げの期待が高まる可能性があります。