原宿再発見:「ハラカド」開業と新たな街づくりの展望
はじめに
東京の流行発信地である原宿が、大きな変貌を遂げようとしています。「100年に一度」と言われる再開発の波が、隣町渋谷に続き原宿にも訪れています。2023年4月、神宮前交差点に新たなランドマークとなる大型商業施設「ハラカド」が開業しました。本記事では、この施設を中心とした原宿の新しい街づくりの取り組みとその背景に迫ります。
「ハラカド」の特色と施設概要
新たな商業スペースの誕生
「ハラカド」は、東急不動産が手掛ける原宿エリアの再開発プロジェクトの一環です。現代の流行に逆行するかのような、伝統的な銭湯や雑誌の専門店など、ユニークなテナントが集結しています。これらは、原宿の若者文化に新たな息吹をもたらすと同時に、多世代にわたって親しまれる場所を目指しています。
銭湯の革新:「小杉湯」の取り組み
「ハラカド」の地下一階に位置する銭湯は、90年以上の歴史を持つ高円寺の「小杉湯」が運営を担当します。この銭湯は、伝統的なサービスに現代的な要素を取り入れることで知られ、特に若い世代からの支持を集めています。原宿での新設に際しては、地元の特色を生かした新しい戦略が展開され、さまざまなコラボレーションが計画されています。
新しい試み:雑誌文化の復興
立ち読みスペースの提供
日本出版販売(日販)は、コンビニからの撤退後、雑誌文化の再興を目指して「ハラカド」に立ち読みスペースを設けます。これは、雑誌の魅力を再確認させる場として、また新しい読者層を開拓するための施策として注目されています。
貴重な初版の展示
日販は全国から集めた雑誌の創刊号を展示することで、出版文化の深い魅力を伝える試みを行っています。これにより、雑誌が持つ教養的・歴史的価値を若い世代に広めることを目指しています。
コミュニティとの連携:「ハラカド町内会」
テナント主導の開発
「ハラカド」では、店舗運営者が定期的に集まり、施設の運営方針を話し合う「ハラカド町内会」が設けられています。この取り組みは、テナント側の意見を積極的に取り入れ、訪れる人々にとって魅力的な商業施設を作るための試みです。
まとめ
「ハラカド」の開業は、原宿の新たな魅力を創出し、街の伝統と革新が融合する場を提供することで、令和時代の新しい街づくりのモデルを提示しています。伝統的な銭湯や雑誌の魅力を再評価することで、多様な価値観が交差する原宿の新たな文化発信地としての役割を果たすことでしょう。