今日の為替動向と予測
酒井基成氏の予想レンジ
三菱UFJ信託銀行の酒井基成氏によると、今日のドル／円予想レンジは160.50円～162.20円となっています。週末の米国雇用統計に向けて、ADP雇用統計、ISM非製造業景況指数、FOMC（連邦公開市場委員会）議事録の発表を控えており、日中のドル円はレンジ内でのもみ合いが想定されています。
注目ポイント：上半期の円安振り返り
ドルの全面高とハト派的金融政策
2024年上半期を振り返ると、ドルは主要通貨に対して全面高となりました。酒井氏は「金融政策がハト派的な通貨が売られやすくなっている」と指摘しています。対ドル騰落率と政策金利年内利下げ折込み剥落回数は相関関係にあり、特に円の下落が顕著です。
日本の金融政策の周回遅れ
日本以外の主要国が利上げから利下げに移行する中、日本だけが緩和的な金融政策からの修正フェーズに入る状態にあります。これが円の下落を招いている主な要因です。また、新NISA導入により個人資産の外貨建て資産への流入傾向が続いています。公募外国株式投信の設定額も今年はこれまでと比較してハイペースです。
金融政策と円の動向
利下げと円買い材料
主要国が利下げに動く状況は円買い材料となります。利下げはリスクセンチメントの改善を誘引し、株式市場は堅調に推移する可能性があります。しかし、実需の円売りが継続するため、円が主要通貨に対して一方的に買われる展開は想定しづらいです。そのため、ドル円の下値は限定的になると見られます。
イベントリスクの影響
今日の注目イベントとして、ADP雇用統計、ISM非製造業景況指数、FOMC議事録の発表が控えています。これらの経済指標や政策発表が市場に与える影響は大きく、短期的な為替動向に注意が必要です。
今後の見通し
ドル円の動き
ドル円は今日の日中においてレンジ内でのもみ合いが続くと予想されます。主要国の金融政策動向や経済指標の結果次第で、為替市場の動きが左右されることになります。
中長期的な展望
中長期的には、日本の金融政策の修正フェーズや、新NISA導入による外貨建て資産への流入傾向が続くことで、円安基調が続く可能性があります。しかし、主要国の利下げやリスクセンチメントの改善が円買い材料となるため、複雑な動きが予想されます。
まとめ
今日のドル／円は、160.50円～162.20円のレンジ内でのもみ合いが予想されます。上半期の円安はドルの全面高や日本の金融政策の周回遅れが要因です。主要国の利下げが円買い材料となる一方で、実需の円売りが続くため、ドル円の下値は限定的です。今日の経済指標や政策発表に注目し、今後の動向を見極めることが重要です。
