今日の株式市場動向と予測
日経平均の予想レンジ
岡三証券の松本史雄さんがスタジオで解説したところによると、今日の日経平均の予想レンジは3万9800円～4万300円です。昨日の急上昇を受けて、今日は4万円を挟んだ値動きが予想されます。
注目ポイント：米国グロース株に死角はないか？
グロース株の現状とリスク
松本さんは「米国グロース株に死角はないか？」という点に注目しています。FRB（連邦準備制度理事会）が今後利下げに転じても、グロース株が必ずしも買われるとは限らないと警告しています。特に、S＆P500グロースのPER（株価収益率）と10年債利回りの逆相関関係が変化している点に注目しています。
過去の逆相関関係
2019年から2023年にかけて、長期金利が下がればグロース株のPERが上昇し、上がれば下落するという逆相関が見られました。しかし、2023年以降、長期金利が上昇しているにもかかわらず、グロース株のPERも上昇するという現象が起きています。この逆相関の変化は、投資家にとってリスクとなり得ます。
主要テック7社とS＆P500の増益率の乖離
松本さんは、S＆P500全体の増益率と主要テック7社の増益率を比較し、2019年以降では両者がほぼ連動していることを指摘しています。しかし、2023年以降、金融引き締めの影響で主要テック7社の増益率は高い一方、S＆P500全体の増益率は低下しており、乖離が急速に拡大しています。
今後の見通し
第2四半期決算以降、主要テック7社とS＆P500全体の増益率の乖離が縮小していく見通しです。FRBが利下げに転じることで、過度な金融引き締めから業況が悪化していた企業の業績も好転していくと考えられます。現在は主要テック7社に投資の関心が集中していますが、徐々に関心が低下していく可能性があります。松本さんは、「利下げでグロース株買いとの思い込みに注意」と述べています。
投資戦略の考察
現在の市場環境
現在の市場環境では、主要テック7社への関心が高まっていますが、これは一時的な現象である可能性があります。今後、FRBの金融政策の変化や企業の業績発表によって、投資家の関心が他のセクターに移ることが予想されます。
分散投資の重要性
このような市場環境の変化に対応するためには、分散投資が重要です。特定のセクターや企業に集中投資するのではなく、さまざまなセクターに分散して投資することで、リスクを軽減し、安定したリターンを得ることができます。
まとめ
今日の日経平均株価は4万円を挟んだ値動きが予想されます。米国のグロース株に対する投資には注意が必要であり、利下げが必ずしもグロース株の上昇をもたらすとは限りません。主要テック7社とS＆P500全体の増益率の乖離が縮小していく中で、投資戦略を見直し、分散投資を心がけることが重要です。
