ガイアの夜明け:円安サバイバル~今こそ世界に打って出る!〜
はじめに
円安や原材料価格の高騰により、日本企業は厳しい経営環境に直面しています。しかし、その状況を逆手にとり、海外市場での活路を見出そうとする企業がいます。今回の「ガイアの夜明け」では、アメリカ市場に挑む井村屋と、台湾市場に挑む燕三条エリアのシゲル工業の取り組みに密着します。
井村屋の挑戦:アメリカ市場への進出
あずきバーの歴史とリニューアル
井村屋グループは、明治時代に創業した老舗であり、その看板商品「あずきバー」は今年で発売50周年を迎えます。2021年度にはシリーズ全体で年間3億本を突破するなど、日本国内で高い人気を誇ります。しかし、井村屋は更なる成長を目指し、海外市場への進出を計画しています。
アメリカ市場の開拓
井村屋の海外貿易室長である井村慎さんは、アメリカ市場での成功を目指しています。アメリカでは、シンプルな原材料で作られた商品に対するニーズが高まっているため、井村屋は「あずきバー」の原材料を見直し、小豆の割合を増やすことを決定しました。しかし、このリニューアルには技術的な課題も伴い、小豆がアイス全体に均等に分布しない問題に直面しました。
市場開拓の秘策
アメリカ市場での成功には、まず商品の認知度を高めることが重要です。井村屋は、和食ブームやコロナ禍での冷凍インフラの普及、そして円安を追い風に、積極的なマーケティング戦略を展開しています。井村さんは、現地の消費者に「あずきバー」の魅力を伝えるため、試食イベントやプロモーション活動を展開し、商品の普及に努めています。
シゲル工業の挑戦:台湾市場への進出
燕三条エリアの金属加工技術
新潟県燕市に本社を構えるシゲル工業は、理美容用はさみの生産本数で国内トップクラスを誇ります。円安や原材料価格の高騰により業績が悪化している中、シゲル工業は新たな市場として台湾に目を向けました。彼らが開発した金属加工技術を活かしたピーラーは、高品質でありながら高価格が課題となっています。
ニューワールドとの協力
シゲル工業は、ブランド力を強化するため、モノづくり企業の商品に特化したECショップを運営するニューワールドの井手康博社長と協力しています。井手社長はクラウドファンディングを活用し、シゲル工業のピーラーを台湾市場に売り込む計画を立てました。
台湾市場の挑戦
台湾市場には、低価格の類似商品が多く出回っており、高品質なシゲル工業のピーラーを消費者に選んでもらうためには、価格の壁を克服する必要があります。井手社長は、台湾の消費者に対して商品の魅力を伝えるため、現地でのプロモーション活動を積極的に行い、ブランドの認知度を高めることに注力しています。
おわりに
円安を逆手に取り、海外市場に挑む日本企業の姿勢は、新たなビジネスチャンスを見出すための重要な戦略です。井村屋とシゲル工業の取り組みは、他の日本企業にとっても大いに参考となるでしょう。ガイアの夜明けは、これからもこうした挑戦を追い続けます。