光るドラム「ハグドラム」の正体
はじめに
現代の技術は、音楽の楽しみ方にも革命をもたらしています。特に「ゆる楽器」と呼ばれる誰でも簡単に楽しめる楽器の開発が注目されています。今回は、その中でも「光るドラム」こと「ハグドラム」の正体とその魅力について詳しく紹介します。
「ハグドラム」の仕組みと特徴
光と振動でつながるドラム
「ハグドラム」は、たたくと光る特殊なドラムです。このドラムは2台で1組となっており、片方をたたくともう一方にも光と振動が伝わる仕組みです。自分がたたくと本体全体が光り、相手がたたくと一部分だけが光るように設計されています。これにより、視覚と触覚を通じて音楽のリズムを共有できるのです。
耳が不自由でも楽しめる合奏
「ハグドラム」は、耳が不自由な人でも音楽を楽しむことができる工夫がされています。相手のドラムが光るタイミングに合わせて叩くことで、視覚的にリズムを感じ取りながら合奏が可能になります。視覚と振動を活用したこのシステムは、音楽の楽しみ方を広げ、より多くの人々に音楽を楽しむ機会を提供します。
ハグのような感覚
このドラムは、抱きかかえるように持つことでお互いを「ハグ」しているような感覚になります。これが「ハグドラム」と名付けられた由来です。音楽を通じた温かいコミュニケーションを促進するデザインが特徴です。
ゆるスポーツランド2024での披露
「ハグドラム」は、2024年に開催された「ゆるスポーツランド」で初めて披露されました。このイベントにはアーティストのシシドカフカさんも参加し、東京・港区での映像が紹介されました。ソニーミュージックの梶望さんは、「ハグドラム」の持つ可能性についてコメントしています。
ソニーの「ゆる楽器」への取り組み
鼻歌で吹けるサックス
ソニーは「ハグドラム」以外にも、鼻歌を歌うだけで吹けるサックスなどの楽器を開発しています。これらの楽器は、誰でも簡単に楽しめる「ゆる楽器」として多くの人々に親しまれています。
インクルーシブな製品開発
ソニーは来年度以降、すべての製品の開発過程において障害者や子どもなどの声を取り入れ、誰もが使いやすい製品作りを目指しています。これを「インクルーシブ」と呼ばれる取り組みとし、全ての人を巻き込む製品作りを推進しています。「ゆる楽器」の開発で得られる知見は、このインクルーシブな製品開発において非常に重要です。
ソニーのデザイナー・秋田実穂さんのコメント
ソニーの「ゆる楽器」デザイナーである秋田実穂さんは、「ハグドラム」を通じて得られるユーザーのフィードバックが、より多くの人が楽しめる製品開発に役立つとコメントしています。彼女の取り組みは、音楽を通じた新しいコミュニケーションの形を提案し続けています。
まとめ
「ハグドラム」は、光と振動を使って音楽を楽しむ新しい方法を提供しています。この革新的な楽器は、視覚や触覚を通じて音楽を共有することで、耳が不自由な人々にも音楽の楽しみを広げることができます。ソニーのインクルーシブな製品開発の一環として、「ゆる楽器」はこれからも多くの人々に喜びを提供し続けるでしょう。