セブン&アイHD 井阪社長 成長のカギは“世界展開”と“薬局”
セブン&アイホールディングス(以下、セブン&アイHD)は、日本国内外で大きな展開を進める企業として知られています。特に注目されるのは、井阪隆一社長のリーダーシップの下で推進される「世界展開」と「薬局事業」です。今回は、井阪社長のインタビューを通じて、セブン&アイHDの成長戦略の核心に迫ります。
主力事業の再構築
そごう西武の売却とイトーヨーカ堂の上場検討
セブン&アイHDは、グループ内の非中核事業の整理を進めています。これまで積年の課題とされていたそごう西武の売却を実施し、さらに祖業であるイトーヨーカ堂の実質的な切り離しを検討しています。これにより、同社は主力事業に集中し、効率的な経営を目指しています。
コンビニエンス事業の強化
セブンイレブンはセブン&アイHDの中核を担う事業であり、井阪社長はこのコンビニエンス事業の強化に注力しています。日本国内にとどまらず、世界中でセブンイレブンの展開を加速させることが成長のカギとされています。
薬局事業の拡大
アインホールディングスとの協業
2008年に資本業務提携したアインホールディングスとの協業が、今後の重要な戦略の一つです。アインホールディングスは調剤薬局の運営だけでなく、コスメ商品の販売も手掛けています。これまで目立った成果はありませんでしたが、今後は協業を拡大し、薬局事業を強化する方針を明かしました。
物言う株主の影響
今月、物言う株主として知られるオアシスマネジメントがアインの株式保有率を14%にまで高めたことが判明しました。オアシスは過去にツルハホールディングスの株式をイオンに売却し、イオン系のウエルシアホールディングスとの経営統合を演出するなど、ドラッグストア業界の再編を仕掛けています。オアシスの動向もセブン&アイHDの薬局事業拡大に影響を与える可能性があります。
グローバル戦略
北米とオーストラリアでの拡大
セブン&アイHDは、グローバル戦略を強化しています。2021年には北米でおよそ3900店を展開するスピードウェイを買収し、今年はオーストラリアのセブンイレブンの買収を完了しました。現在、セブンイレブンは20の国と地域で展開されており、グローバルなプレゼンスを確立しています。
食のコンビニとしての展開
井阪社長は、各国の食文化に合わせた商品開発を重視しています。例えば、マレーシアでは工場を建設し、オリジナルの食品を提供。ベトナムでは現地の食文化に合わせたメニューを開発し、提供しています。これにより、現地市場での競争力を高めています。
今後の展望
セブン&アイHDは、主力事業のコンビニエンス事業を中心に、グローバル展開と薬局事業の拡大を進めています。特に、アインホールディングスとの協業強化やオアシスマネジメントの動向は注目されます。さらに、各国の食文化に合わせた商品開発を通じて、世界各地での競争力を高めています。
井阪社長のリーダーシップの下で、セブン&アイHDは持続的な成長を目指し、さらなる飛躍を遂げることが期待されています。