2023年1-3月期の法人企業統計:経常利益が過去最高を記録
概要
財務省が発表した2023年1-3月期の法人企業統計調査によると、金融業と保険業を除いた国内企業の経常利益は、27兆4279億円と前年比15.1%増加し、この時期としては過去最高を記録しました。この増加は、製造業と非製造業の両方で顕著に見られました。
製造業の動向
経常利益の増加
製造業の経常利益は23.0%増加しました。主な要因は、円安の影響で海外での販売額が上振れしたことです。円安により、日本の製品が海外市場で価格競争力を持ち、売上が増加した結果、利益が大幅に伸びました。
円安の影響
円安は、日本製品が海外で安価に提供されることを意味し、特に輸出産業にとって有利です。このため、製造業では自動車、電子機器、機械などの輸出が増加し、経常利益の増加に寄与しました。
非製造業の動向
経常利益の増加
非製造業の経常利益は11.5%増加しました。この増加には、サービス業での客足の回復と、不動産業でのマンション価格の上昇が寄与しました。
サービス業の回復
サービス業では、観光、飲食、小売などのセクターで客足が回復し、経常利益の増加に繋がりました。特に、コロナ禍の影響が緩和されたことで、消費活動が活発化し、売上が増加しました。
不動産業の動向
不動産業では、マンション価格の上昇が経常利益の増加に貢献しました。都市部を中心にマンション需要が高まり、価格が上昇した結果、企業の利益が増加しました。
設備投資の動向
増加率の縮小
設備投資は6.8%増加しましたが、前期の16.4%に比べて増加率は縮小しました。この傾向は、企業が慎重な投資姿勢を取っていることを示しています。
投資の傾向
企業は依然として成長のために投資を行っていますが、前期のような大規模な投資拡大は見られません。これには、経済の不確実性やコスト上昇などが影響しています。
まとめ
2023年1-3月期の法人企業統計によると、国内企業の経常利益は過去最高を記録しました。製造業は円安の影響で海外販売が増加し、非製造業もサービス業や不動産業の好調により利益を伸ばしました。一方、設備投資は増加したものの、増加率は前期に比べて縮小しました。今後も企業の収益動向や投資動向に注目する必要があります。