景気減速感で推移するニューヨーク株式相場
概要
マキシム・グループの久野誠太郎氏が4日のニューヨーク株式相場について解説しました。雇用統計を金曜日に控える中、ダウとナスダックは一進一退の動きを見せつつも、最終的にはしっかりと引けました。
株式相場の動向
ダウ・ジョーンズ工業株平均(ダウ)とナスダック総合指数(ナスダック)
- ダウ:エネルギー関連や素材関連が下落する一方で、通信や家庭用品が上昇。
- ナスダック:同様の傾向が見られ、全体としては堅調に推移。
経済指標の影響
一連の経済指標から、景気の減速感が出てきています。以下がその具体例です。
アトランタ連銀のGDPナウ「米国4−6月期実質GDP予想」は、6月3日時点で1.8%に大幅下方修正されました(5月31日時点では2.7%)。
S&P500業種別騰落率
以下は、S&P500の主要セクターの騰落率です。
- 半導体・同製造装置:+10.0%
- 電気通信サービス:+6.1%
- 食・生活必需品小売:+1.4%
- エネルギー:-4.3%
- ソフトウエアサービス:+4.9%
エネルギーセクターは原油価格の下落により売られましたが、半導体や電気通信サービスなどは好調を維持しています。
景気減速とFRBの動向
FRB(連邦準備制度理事会)が利下げに踏み切るためには、少なくとも2〜3か月分の良好なインフレ指標を待つ必要があります。久野氏は、夏場の株式市場が景気減速感と利下げのタイミングを巡る綱引きのレンジ相場になる可能性が高いと解説しています。
まとめ
4日のニューヨーク株式相場は、一連の経済指標から景気の減速感が意識される中、方向感が定まらない一日となりました。エネルギー関連株は原油価格の下落で下落した一方、通信や家庭用品などは上昇。FRBの利下げのタイミングを巡る不透明感が市場に影響を与えており、夏場の株式市場はレンジ相場が続く可能性が高いです。