NY証券取引所とアメリカ4-6月期決算:注目点は
市場動向と背景
7月1日のニューヨーク株式市場について、大和証券キャピタルマーケッツアメリカの高橋氏は「朝方は規制緩和期待でエネルギー株や金融株が買われた一方で、米中摩擦の悪影響を受ける半導体株が売られました。しかし、その後は徐々に上昇セクターが上げ幅を縮小し、下落していた半導体株が買い戻される展開となりました。最終的にはダウ・S&P500ともに大きく動かず取引を終えました」と分析しています。
独立記念日の影響もあり、米国市場は4日に休場、前日も取引時間が半日であったため、一方向に偏った物色が進みづらい状況でした。さらに企業の決算発表も少なかったため、しばらくは大きな方向感が出づらい可能性があるとしています。
4-6月期の決算発表の見通し
来週後半から本格化する4-6月期の決算発表について、高橋氏は「今回発表される業績については、1株利益が前年比プラス9%という2年ぶりの高い増益率が見込まれています。牽引役は情報技術セクターで、今回のシーズンでは2割弱の増益が予想されています」と述べました。
情報技術セクターの成長は、AI技術の進展によるものです。特に、エヌビディアの新製品によるサイクルが期待されており、9月にはアップルがAI機能を搭載したiPhoneを発表する可能性もあります。これにより、業績と同時に開示される見通しを支える効果が期待できます。
過去の傾向と今後の展望
過去のS&P500企業の傾向を見ると、1株利益の実績はアナリスト予想を上回る傾向があります。このため、成長セクターを中心とした業績拡大が株式市場を支える構図は続くと考えられます。
特に情報技術セクターの増益が市場全体を牽引しており、この傾向は今後も続く見通しです。AI技術の進展とそれによる製品の革新が、このセクターの成長をさらに押し上げるでしょう。
まとめ
ニューヨーク証券取引所の動向は、規制緩和期待と米中摩擦の影響を受けています。しかし、4-6月期の決算発表においては、情報技術セクターの強い増益が期待されており、これが市場を支える重要な要素となります。特にAI技術の進展が今後の業績拡大に寄与することが予想され、成長セクターのパフォーマンスが引き続き注目されます。