きょうの株式市場動向と予想:山和証券・志田さんの解説
日経平均の予想レンジ
山和証券の志田さんは、今日の日経平均予想レンジを41,200円から42,000円としています。彼の分析によれば、ニューヨーク市場での大規模なセクターローテーションが日本の株式市場にも影響を与える可能性が高いと述べています。
アメリカ市場の動向とその影響
CPIを受けたニューヨーク市場の動き
アメリカの消費者物価指数(CPI)の発表を受けて、ニューヨーク市場では大型ハイテク株から景気敏感株や不動産、電力などへの大規模なシフトが起こりました。具体的には、ダウ平均は上昇した一方で、ナスダックは大幅に下落しました。この動きが日本市場にも影響を与え、大幅な下落スタートとなる可能性があると志田さんは予想しています。
日経平均の乱高下
4月以降の日経平均の上昇は、先物主導で進んできたため、現在の市場動向によって乱高下が懸念されます。志田さんは、ある程度の売りが収まった後に、日本株もセクターローテーションのような動きになるか注目する必要があると述べています。
EPSとPERで考える日経平均
高値更新とその背景
日経平均は、5~6月に世界の指数が高値を更新する中、横ばいのレンジが続きましたが、6月第3週から上昇に転じ、7月からは急騰しています。この期間における特徴として、以下の2点が挙げられます:
- 海外投資家の動向:東証が毎週発表している投資部門別売買動向によると、日経平均が横ばいだった期間には海外投資家が売り越していましたが、6月第3週にはゼロとなり、第4週からは買い越しに転じています。
- 大型株の推移:TOPIXで最も下がったのは大型株でしたが、6月第3週に底を打ち、そこから上昇を牽引しています。
海外投資家の影響
志田さんは、海外投資家が6月にポジション調整を行い、その後買いに転じたと考えています。この動きが日経平均・TOPIXの最高値更新に寄与したと見ています。さらに、今日のオプションSQに向けたデリバティブの買い戻しも巻き込んで、大幅上昇となったと分析しています。
長期的な展望
EPSとPERの視点
日経平均の株価はEPS(1株当たり利益)とPER(株価収益率)に分解して考えることができます。現在、今期のEPSは日経平均予想に対しアナリスト平均でも上振れを想定しており、現在のPER12.5倍の水準が維持されると仮定すると、年末から期末にかけて日経平均は43,000円台後半が期待されます。
短期と長期の見通し
短期的には、本日のSQ値を上回れるかどうかが市場の展開を左右するでしょう。しかし、長期的な視点では、現在の上昇基調が継続すると志田さんは見ています。
まとめ
今日の株式市場は、ニューヨーク市場でのセクターローテーションの影響を受け、大幅下落からスタートする可能性が高いです。しかし、海外投資家の買い越し転換やEPSとPERの観点から見ても、長期的には日経平均がさらに上昇する可能性があります。特に、年末から期末にかけては43,000円台後半が期待されると志田さんは予想しています。